マインドフルネスの基本姿勢と実践方法6パターン

マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか?

マインドフルネスを一言で説明すると「瞑想などを通じた脳の休息方法の総称」と表現できます。

瞑想が主体になっているという事で、方法や考え方も色々ありますが考え方は同じです。

一日家に閉じこもっていても、旅行などに行ってリフレッシュしても、温泉に入って体を休めても取れない疲れというものがあります。それは脳の疲れです。脳には脳の休め方があるのですが、お察しの通りマインドフルネスが有効的にです。

もちろん科学的裏付けもあり脳科学の分野でも今注目を集めています。

参考記事マインドフルネスとは何か?瞑想との違いと得られる効果

今回はマインドフルネスの7つのやり方と5日間の実践方法を紹介します。

参考文献世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

マインドフルネス実践方法

マインドフルネスにはその時の状況により方法が変わります。

脳の疲れは心の疲れでもあります。マインドフルネスで心を落ち着かせる・整えるというようなイメージで行われます。

基本的に瞑想は心を空っぽにして何も考えないというイメージがありますが、マインドフルネスは意識したり、注意を向けたり、そのことを意図的に思ったり、考えたりする事で脳の疲れを取り除いていきます。

1.マインドフルネスの基本姿勢

マインドフルネス

まずは基本姿勢です。

背中を伸ばし手は太ももの上におきお腹はゆったりと構えましょう。椅子に座ってもかまいません。

身体の感覚に意識を向けます。手と太もも、床とお尻が触れている感触を感じ取りましょう。

常に深呼吸をする必要はありません。いつも通りの呼吸を行いましょう。ただ呼吸していることに意識を向けるだけです。鼻や胸に空気が通る感覚・呼吸と呼吸の間を感じ取りましょう。呼吸に集中できないという人は呼吸をするたびに「1」「2」「3」・・・・「10」とラベリングをするのも効果的です。雑念が浮かんで来たらまた呼吸に意識を向けるようにしましょう。

これが基本になるのでしっかりと抑えておきましょう。この姿勢・呼吸法がすべての基礎になります。

【手順】

  1. 基本姿勢をとる
  2. 身体の感覚に意識を向ける
  3. 呼吸に注意を向ける
  4. 雑念が浮かんだら再度呼吸に意識を向ける

【効果】

  • ストレス軽減
  • 雑念の抑制
  • 集中力・記憶力の向上
  • 感情のコントロール
  • 免疫機能の改善
ポイント

  • 1日5分でも10分でも続けることが大事です
  • 同じ場所・同じ時間で行う事を意識してみましょう

2.歩行迷走

散歩

歩行瞑想だけではなく、立った状態、座った状態、その他の歯磨きや掃除などの日常生活の動きでも応用が可能です。この瞑想はGoogleの社員研修でも取りえれられています。

またラジオ体操の動きも効果的です。毎朝ラジオ体操を取り入れている一般企業も多くあるのですが体をほぐす為だけに取り入れられています。ラジオ体操×マインドフルネスの組み合わせで脳もほぐす事が可能ですので参考にしてみてください。

時間が取れない人など、通勤時間を利用すると有効的ですし、じっと座る事が苦手な人に向いています。

【手順】

  1. 最初はゆっくり歩く
  2. 筋肉・地面の感触・肌にあたる空気に注意を向ける
  3. 「左」「右」「左」「右」・・・・のように動きにラベリングする

【効果】

ポイント

  • ラジオ体操や食事と組み合わせる事が出来る
  • 何処から何処までというように、スタートと終わりを決める事であらかじめ実行する範囲を決めておくとやりやすい。

3.ストレスで体調がすぐれないとき

ストレスとは脳内現象ですが、身体へのダメージを及ぼします。緊張で胃が痛くなったり腹痛が起きる原因にもなります。

まずは「何にストレスを感じているのか?」それによりどんな影響が出ているのかに気づいてください。それを前提にマインドフルネスの基本である呼吸に意識を集中させます。呼吸をするたびにストレスの影響されている部位を意識するようにしましょう。胃が痛いなら胃に空気が入って行く、そして次第にほぐれていくイメージを持ちます。それを全身に広げていきましょう。

マインドフルネスの基本の型に加え、ストレスの原因を探り影響が出ている箇所に意識を向けます。

【手順】

  1. マインドフルネスの基本姿勢を取る
  2. ストレスの原因を1つの文にする(例:休みが無く心が疲れている)
  3. 心の中で唱える、心と身体の変化に注意を向ける
  4. 呼吸に集中する。できない時はラベリングをおこなう。
  5. 身体全体に意識を広げる。身体全体で呼吸をしているイメージ。

【効果】

  • ストレスの解消
  • ストレス由来の緊張(肩こりなど)
  • その他の不調の改善
ポイント

  • 身体の疲れは脳が引き起こしている
  • ストレスの原因と影響を認識することでストレスのとらえ方が変わる

4.同じ事ばかり考えているとき

思考

思考のループというのは膨大なエネルギーが消費されます。考え事だけで疲れはてた経験が誰でもあるのではないでしょうか?

基本的に思考のループに陥った場合、考えないようにするのではなくその事実を認めて何がそうさせているのか?原因を突き止めて根本的に思考を見直します。つまりその雑念に対する認知を変えるわけです。

同じ思考がループする原因は同じ前提で考えているからではないでしょうか?その前提を変える事で違うパターンの考えが生まれるはずです。何故同じ考えが出てくるのか、その原因を突き止める事・事実を認識することが思考のループから抜け出す第一歩です。

【手順】

  1. 何度も考えている事実を認識する
  2. その考えに対する例外を考えてみる
  3. 「自分が尊敬する人ならどう考えるだろうか?」と想像してみる
  4. 良し悪しで判断するのをやめる
  5. その考えが何度も出てくる原因・自分の願望から考え直す

【効果】

  • 思考ループの抑制
  • 集中力の向上
  • 自己嫌悪の回避
  • 寝つきの改善
  • 深い睡眠
ポイント

  • 思考のループは睡眠の妨げになる
  • 気づかぬうちに膨大なエネルギーを消費している

5.理性のコントロール方法

脳に過度なストレスがかかると暴走を始め、一般的に言われる「キレる」という行動を取ります。

物に当たったり、人に当たったりと、理性が効かなくなってしまいます。通常は理性がその暴走を押さえつけますが、この二つが均衡していないと正常に作用しません。

自分が何にストレスを感じているのか?その事実と原因を受け入れて、客観的にとらえることから始まります。

このマインドフルネスを取り入れる事により禁煙の成功率も2倍になるという実験結果も出ています。

基本の姿勢から始まり、怒りの原因を客観的に見つめる事で怒りを回避することが出来ます。

【手順】

  1. 基本の姿勢をとる
  2. 自分の中に怒りが起こっている事を認識する
  3. その怒りが起こっているという事実を受け入れる
  4. 怒っている時の身体の状態・変化に意識を向ける
  5. その怒りに対して「他人事」のように考えてみる

【効果】

  • 怒りの鎮静
  • 欲望のコントロール
  • 衝動の抑制
  • ダイエット
  • 禁煙
ポイント

  • 怒り以外にも有効的
  • 目的意識がプレッシャーを生み心のゆとりをなくす

6.他人へのマイナス感情があるとき

アドラー心理学では「人の悩みはすべて対人関係にあるとされています。それほど人間関係は重要で誰にでも好きになれない人というのは存在します。

相手に対する妬みや怒りなどのネガティブな感情を減らし、ポジティブな感情を意図的に増やすことでストレスの溜まりにくい状態を作ります。

特に重要なのはイメージした相手に対してポジティブなフレーズを唱える事です。

「あなたが健康に過ごせますように」「あなたが幸せで安らかに過ごせますように」「あなたが安全に過ごせますように」など・・・・

【他人を思う瞑想】

  1. 通常のマインドフルネスを10分程度行う
  2. ストレスの原因になっている人を思い浮かべる
  3. 心の中でフレーズを唱える(例:あなたが健康でありますように)

【効果】

  • 他人へのマイナス感情の抑制
  • ポジティブな感情の育成
ポイント

  • アメリカの大学などでも導入されている
  • 脳疲労の原因を抑える

まとめ

以上がマインドフルネスにおける6つのパターンです。その時のシーンに合わせて使い分けますが基本の姿勢・呼吸法が基盤になりますので基本の姿勢・呼吸法をから意識してみて下さい。

ほとんどが基本の姿勢と改善策の組み合わせです。

自分のやりやすい方法で行いましょう。

マインドフルネスは同じ場所、同じ時間に毎日行う事で効果を発揮します。

著者:久賀谷亮
出版社:ダイヤモンド社
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