【囚人筋トレ】屈強な下半身を作るスクワット10ステップ

下半身を鍛える自重とレーニングの王道と言えばスクワットです。

脚の筋トレは軽視されがちですが、人間の強さというのは下半身に宿ります。上半身ばかり鍛える人がいますが本当の強さを求めるなら下半身を鍛えるべきなんです。

しかし、ジムではベンチプレスやダンベルカールばかりしている人が多いのが現状です。

見た目だけではなく、人間の機能性を求めるなら下半身のトレーニングに力を入れなければいけません。

では!下半身はバーベルスクワットのようにハードなウェイトトレーニングをしなければ鍛えられないのでしょうか?

決してそうではありません。このステップでは最終的に片脚スクワットのトレーニングに至ります。ではその片脚スクワットが楽にできる人はどれ程いるでしょうか?そう多くはありません。このステップをすべてクリアした時あなたは強靭なる下半身を手に入れているでしょう。

ここでは囚人筋トレと言われるキャリステニクスの正しいスクワット10ステップを解説します。

屈強な下半身を作るための基本知識

鍛えられる筋肉

【メインターゲットとなる筋肉】

  • 大腿四頭筋
  • ハムストリング
  • 大殿筋
  • 下腿三頭筋

スクワット=太もも(大腿四頭筋)が鍛えられるというイメージを持っている人がいると思いますが、半分正解です。

正確には、正しいフォームで行えば下半身全体を鍛える事が可能です。

大腿四頭筋、太ももの裏であるハムストリング、大殿筋(お尻)、そしてふくらはぎ、さらには補助的に横隔膜や腹筋も鍛える事ができます。

スクワットで得られる効果とメリット

  • 下半身を鍛えると他の筋トレも安定感が増す
  • 正しいフォームで下半身全体を鍛える事ができる
  • バーベルスクワットのようにウェイトを使用しないので腰や背中、関節などのケガを起こしにくい
  • バランス力がつく

このステップは最終的に片脚スクワットのトレーニングになります。

体重が70㎏の人が行うと70㎏の負荷が片脚に掛かることになるのです。バーベルスクワットで70㎏のウェイトを背負って両脚でスクワットすることと本質的には同じです。

しかし、ウェイトを背負わないので腰や背中への負荷が軽減されます。しかも自然な動きで行うので関節への負荷も少なく、体に無理をさせず鍛える事ができます。

正しいフォームを習得する

  • 背筋を伸ばし真っすぐに立つ
  • 両脚で行う場合はつま先を多少外側へ向ける
  • 腕は胸の前で伸ばす
  • 太もも(ハムストリング)がふくらはぎにつくまで可動域一杯下げる
  • 筋肉をコントロールすることを意識して体を上下に動かす
  • ボトムポジションではお尻を突き出すのではなく、座ることをイメージする
  • ボトムポジションで1秒間停止する
  • かかとは浮かせない
  • 体を前方に倒し勢いをつけない
  • 体を上げきった時に膝を伸ばし切っても良い

トレーニングに最適なスピード

腕立て伏せでは下げるのに2秒、停止1秒、上げるのに2秒というスピードの目安がありましたが、このスクワットのトレーニングでは最適なスピードというのは数字で表されていません。

ボトムポジションでの1秒停止は全トレーニングで共通ですが、筋肉をコントロールしながら行う事がメインになります。

筋肉をコントロールしながら行うと下げるのに2秒、停止1秒、上げるのに2秒と同じような数字になってきますので、スピードがつかめない人は2秒1秒2秒を目安にしてみてください。

道具を使ってトレーニングを補助する

【使用する道具】

  • バスケットボール

以下のトレーニングではバスケットボールを使用するステップがあります。

トレーニングを効率的に、または補助として使用するので代用品でも構いません。

スクワット10ステップ

【STEP1】ショルダースタンド・スクワット

ショルダースタンド・スクワットとは脚の力で体を上下に動かすのではなく、仰向けになり脚を上方向へ伸ばすトレーニングです。

以下、GIF画像とフォームが異なる場合がありますのでイメージとして捉えてください。

手順

  1. 仰向けになり膝をしっかり曲げる
  2. 手で床を押しながら床を蹴って脚を空中に浮かべる
  3. 上腕全体を床につけ腰に手を置いて体を支える
  4. 股関節を曲げず体を出来るだけ真っすぐに固定する(スタートポジション)
  5. 体幹を一直線に保ちながら膝が額に触れるまで股関節と膝を曲げる(フィニッシュポジション)
  6. 以後繰り返し

解説

このトレーニングは体を逆さにして行うので、膝や背中に負荷がほとんどかかりません。

上半身への負荷が中心になりますが、スクワットは下半身だけではなく上半身も使います。

上半身をほぐしてフォームを作る第一ステップです。

ポイント

スタートポジションから脚を丸め、額に膝が触れるまで曲げるのですが体が硬い人や脂肪がある人はつかない場合もあります。

まずは、膝を額につけるためにも体をほぐすイメージで行いましょう。脂肪が邪魔な人は空腹時に行います。

トレーニング目標

  • 初心者:10回×1セット
  • 中級者:25回×2セット
  • 上級者:50回×3セット

【STEP2】ジャックナイフ・スクワット

ジャックナイフ・スクワットとは体を前に倒しテーブルなどに体重をかけて行うスクワットです。

手順

  1. 膝と同じくらいの高さのテーブルや椅子の前に立つ
  2. 脚を肩幅に広げ体を倒して対象物に腕をつく(スタートポジション)
  3. 体幹を床面と平行に保ち膝と股関節を曲げ腕も同時に曲げる(フィニッシュポジション)
  4. 脚と腕の力を使いスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

このトレーニングは脚と腕の力を使って行います。ふとももの裏がふくらはぎに着くまで曲げましょう。

腕を対象物にあずけることで負荷が分散され通常のスクワットよりも負荷がかかりません。

体を上げる時も腕の力を使ってOKです。初心者に有効的なトレーニングでボトムポジションでのバランスと腱の柔軟性の向上につながります。

トレーニング目標

  • 初心者:10回×1セット
  • 中級者:20回×2セット
  • 上級者:40回×3セット

【STEP3】サポーティド・スクワット

サポーティッド・スクワットとはテーブルなどを掴み、バランスを取りながら行うスクワットです。

手順

  1. 腰と同じくらいの高さのテーブルなどの前に立つ
  2. 脚は肩幅に開きテーブルに手をつける(スタートポジション)
  3. 膝・股関節を曲げてふとももの裏がふくらはぎに着くまでゆっくりと体をおろす(フィニッシュポジション)
  4. 一時停止し脚の力で体を押し上げスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

ジャックナイフ・スクワットとの違いは脚への負荷が大きくなることです。

腕はあくまでもサポートだと考えましょう。もしもできない場合は腕の力を下向きに多くかけて補助します。

特に脚の力を使って上下運動している事を意識してください。フォームを整えるトレーニングにもなります。

ポイント

  • 背中・腕は真っすぐに保つ
  • 自分のレベルに合わせて腕にかける力を調整する

トレーニング目標

  • 初心者:10回×1セット
  • 中級者:15回×2セット
  • 上級者:30回×3セット

【STEP4】ハーフ・スクワット

ハーフ・スクワットとは通常のスクワットよりも腰を落とさずに行うスクワットです。

手順

  1. 脚を肩幅に開き、つま先を少し外側に向け真っすぐに立つ(スタートポジション)
  2. 腕を心地よい場所に固定する
  3. 膝が90°(太ももが床と平行)になるまで膝と股関節を曲げる(フィニッシュポジション)
  4. 一時停止しスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

今までのトレーニングと異なり支えを使いません。

膝が内向きにならないように注意しましょう。つま先を少し外側へ向けその方向へ膝を曲げます。

正しいフォームを常に意識してください。勢いは使わずに自分の筋肉をコントロールしながら体を動かします。

腕は胸の前で組んでもいいですし、腰に当てても構いません。腕を振ったりせずに体に密着させて固定します。

ポイント

  • 反動を使わない
  • 膝はつま先と同じ角度に曲げる
  • かかとを床から離さない
  • 背中は真っすぐ

目標

  • 初心者:8回×1セット
  • 中級者:35回×2セット
  • 上級者:50回×2セット

【STEP5】フル・スクワット

フルスクワットとはお尻を深くまで落として行う一般的なスクワットです。

手順

  1. 脚を肩幅に開いてつま先を少し外側へ向け真っすぐに立つ(スタートポジション)
  2. 腕を心地よい場所に固定する
  3. 背中を真っすぐにしたまま股関節と膝を曲げ、太ももがふくらはぎに当たるまで体を下す(フィニッシュポジション)
  4. 一時停止しスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

一般的に知られているのがこのフルスクワットです。

古典的な自重トレーニングで脚を鍛えるうえでスクワットはオーソドックスなトレーニングと言えます。

基本は同じです。勢いは使わないようにし筋肉をコントロールして体を動かします。膝を曲げる向き、かかとが浮かないように注意しましょう。

意外と難しいのが太ももをふくらはぎにつける動きです。体が硬かったり重心移動がスムーズに行かないと腰が曲がるなど、姿勢がくずれるので注意が必要です。

ポイント

  • 反動を使わない
  • 膝はつま先と同じ角度に曲げる
  • かかとは床から離さない
  • 背中は真っすぐ
  • ボトムポジションでの体のコントロールを意識する

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット
  • 中級者:10回×2セット
  • 上級者:30回×2セット

【STEP6】クローズ・スクワット

クローズ・スクワットとは脚を閉じて左右のかかとをつけて行うスクワットです。

手順

  1. 両脚のかかとをつけて真っすぐに立つ
  2. つま先はわずかに外側へ開き、腕は胸の前で真っすぐに伸ばす(スタートポジション)
  3. それ以上進まなくなるまで膝、股関節を曲げる(フィニッシュポジション)
  4. 一時停止しスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

このクローズ・スクワットはSTEP5のフルスクワットよりも負荷が大きくなります。

更に柔軟性の必要になるのでボトムポジションで後方へ倒れそうになるかもしれません。その時かかとが持ち上がらないように注意しましょう。

腕は前に伸ばしてバランスを取りますが、背中が丸まらないように出来るだけ真っすぐに保ちます。

ポイント

  • かかとを上げない
  • 背中は真っすぐを保つ
  • 腕を使い体重移動を意識しながら倒れないようにバランスを維持する

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット
  • 中級者:10回×2セット
  • 上級者:20回×2セット

【STEP7】アンイーブン・スクワット

アンイーブン・スクワットとはバスケットボールなどを使用して補助的に行う片脚スクワットです。

手順

  1. 片方の脚を床面につけて真っすぐに立つ
  2. 反対側の脚は一足分離しておいたバスケットボールの上に乗せる
  3. 脚は肩幅程度に広げ腕は前方へ伸ばす(スタートポジション)
  4. 膝、股関節を曲げ限界まで体をさげる(フィニッシュポジション)
  5. 一時停止しスタートポジションに戻る
  6. 以後繰り返し

解説

ここからのステップは片脚でのトレーニングにシフトチェンジしていきます。

片方の脚はバスケットボールの上に乗せ滑らせるように移動させるのですが、想像通り反対側の足には大きな負荷がかかります。

このステップから反動を使って体を持ち上げたくなりますが筋力のみで体をコントロールしましょう。

腕を前へ伸ばしバスケットボールの上に乗せた片方の脚でバランスを取ります。

片脚になっただけで基本的な注意事項は同じですのでバランスに注意しながら行いましょう。

ポイント

  • 反動を使わない
  • かかとを上げない
  • 背中は伸ばす
  • 腕、反対側の脚を使いバランスを取る

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット(片脚ずつ)
  • 中級者:10回×2セット(片脚ずつ)
  • 中級者:20回×2セット(片脚ずつ)

【STEP8】ハーフ・ワンレッグ・スクワット

ハーフ・ワンレッグ・スクワットとは通常の片脚スクワットよりも腰を落とさずに行うスクワットです。

手順

  1. 片方の脚で真っすぐに立ちもう片方の脚を前方に伸ばす
  2. 手は胸の前で前方に伸ばす(スタートポジション)
  3. 体重を支えている方の脚が90°になるまで膝、股関節を曲げる(フィニッシュポジション)
  4. 一時停止しスタートポジションに戻る
  5. 以後繰り返し

解説

補助を使わずに完全に片脚でスクワットを行います。

フルスクワットではないので膝が90°になるまで曲げます。この時、地面と太ももが平行になります。

特に注意することは、反対側の脚を出来るだけ真っすぐに保つことです。膝が曲がったり脚が地面につかないように注意しましょう。

ポイント

  • 注意事項は今までと同じ
  • 体重を乗せていない方の脚は真っすぐに伸ばす。膝を曲げたり床に脚をつけてはいけない。

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット(片脚ずつ)
  • 中級者:10回×2セット(片脚ずつ)
  • 上級者:20回×2セット(片脚ずつ)

【STEP9】アシステッド・ワンレッグ・スクワット

アシステッド・ワンレッグ・スクワットとは片脚で行うフルスクワットですがボトムポジションでバスケットボールに手をつき補助ありで行うスクワットです。

手順

  1. 片方の脚で立ち反対側の脚の横にバスケットボールを置く
  2. 反対側の脚は真っすぐに伸ばす
  3. 鍛える側の腕は真っすぐに伸ばし、反対側の腕は下におろす(スタートポジション)
  4. ふくらはぎが太ももに当たるまで膝、股関節を曲げる
  5. 下ろしているほうの手をバスケットボールの上に置き補助する(フィニッシュポジション)
  6. 一時停止しスタートポジションに戻る
  7. 以後繰り返し

解説

片脚でのフルスクワットですが、最も難しいのが膝を曲げ切ったボトムポジションから体を押し上げる時です。

出来るだけ片脚の筋力で体を押し上げるのですが最初の数センチは手でボールを押して補助しましょう。

この時、ボールを押して勢いをつけるのではなく支えてあげる感覚で行います。

もしもバスケットボールでできない場合は高さのあるテーブルなどから初めて徐々に高さを低くして行うといいでしょう。

ポイント

  • 注意事項は同じ
  • バスケットボールを押して勢いをつけない
  • 補助的に支える・体をあげる補助のイメージで行う

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット(片脚ずつ)
  • 中級者:10回×2セット(片脚ずつ)
  • 上級者:20回×2セット(片脚ずつ)

【STEP10】ワンレッグ・スクワット

ワンレッグ・スクワットとは片脚で行うスクワットです。

手順

  1. 背筋を伸ばし片足で立つ。
  2. 反対側の脚は膝が曲がらないように空中に伸ばす
  3. 腕は胸の前で伸ばす(スタートポジション)
  4. 太ももがふくらはぎに触るまで膝、股関節を曲げる(フィニッシュポジション)
  5. 一時停止しスタートポジションに戻る
  6. 以後繰り返し

解説

このトレーニングが最終ステップになります。

片脚スクワットを数回できる人は多くはいません。このステップをクリアできる頃にはたくましい下半身が備わっているでしょう。

基本的な注意事項は今までのスクワットと一貫して同じです。

トレーニング目標

  • 初心者:5回×1セット(片脚ずつ)
  • 中級者:10回×2セット(片脚ずつ)
  • 上級者:50回×2セット(片脚ずつ)

ステップをクリアしたらどうすればいいか?

片脚につき50回が最終的なゴールになる、100回を目指しても良いのですが退屈です。

しかしダンベルやバーベルを持つとケガのリスクが高まります。

重量を求めるならばウェイトリフターと同じです。

キャリステニクスはウェイトリフターにはない機能性を兼ね備える事ができるのです。

もしも、ステップをクリアしたのならバリエーションを増やしてみましょう。

ランジ、レッグプレス・ランジ、シシースクワット、ヒンズースクワット、プライオメトリック・ジャンピング、階段ダッシュ・・・

鍛え方は様々あります。

スクワットのメニューに加え、あらゆるトレーニングにチャレンジしてみましょう。

まとめ

  • 正しいフォームを忠実に守る
  • 反動を使わずに筋肉で体をコントロールする
  • 重量や負荷が全てではない

このステップを全てクリアした時、あなたは強靭な下半身を手に入れているでしょう。

周りから逸脱した筋力、そして機能性が備わっているはずです。

最終地点に到達するためにも、まずは正しい手順でステップを進めて行きましょう。